実際に転職を実行する方は金銭的な損得勘定だけで、転職する訳はないと思いますが、やはり生活が有り、多くの人には家族などもいらっしゃいますので、有る程度の損得勘定は必要なのではないでしょうか?
基本的には企業は勤続年数によって有給休暇の日数や退職金などか加算されていくので有りまして、新卒で入社して定年退職まで勤め上げた人と、40歳を過ぎてから中途入社して定年退職で退職金をもらう人とでは、受け取る退職金に開きが出てしまうのは仕方がないと思います。
こんな事から、特に年代が上の人ほど、転職に対する意識が消極的な人が多かったのですが、最近では少し事情が変わってきているのではないでしょうか?
まずひとつは企業ってのが永遠に営業を継続出来るって幻想が消されてしまったので有りまして、ダイナミックに変化する経済情勢では現在は繁栄を謳歌していても10年後、20年後は全く予測が付かないのでありまして、これはプロダクトライフサイクルの関係も有りますが、日本の場合も含めて世界的に花形産業と言われた産業も20年サイクルで入れ替わっているので有りまして、さらにそのサイクルは短くなってきているのが現実であると思います。
ですから転職は慎重にって言いますが、今現在勤務している企業が自分の定年退職まで、安定した経営を続けられるかどうかに始って、次に転職先として考えている企業やその産業がこの先どうなるのかってのまで自分なりに判断する必要が出てきてしまいますよね?
まあ私の個人的な考えとしては、転職に対してはそれほど神経質にネガティブになる必要もないと思いますが、あまりに短絡的で軽弾みな行動さえ避ければ、積極的に行うのも一つの人生なのではないかなって思っています。
なぜならばやはり企業の寿命がどんどん短くなっている事実が有るからです。
日本全体に占める中小企業の割合は80%を超えているらしいのですが、一般に中小企業の平均寿命は7-8年らしく、更に書きますと新たに法人を設立して10年後に生き残っている企業は一割程度しかないそうです。
勿論、転職した方が新たな職場で実績を上げて企業がどんどん発展していくって事も有るのですが、中々現在の日本を取り巻く企業情勢は、退職金も当てに出来ませんし、10年後が誰も分からない訳ですから、労働者にとっても企業の選択が難しい時代になってきたものですね?
追伸
よく言われる事ですが企業の業績が低下してリストラや希望退職を募ると、仕事ができる人間ほどさっさと見切りをつけて転職してしまうそうです。
勿論、愛社精神が強い出来る人も会社に残って頑張るのですが、一旦、業績が低下して人材の流出が始まってしまいますと、対外的な信用の部分もありまして、立て直すのはなかなか大変なようです。
備えあれば憂いなしとも言いますが、例え転職は全く考えていないとしても、いつ何時、状況が変わって転職活動をせざるを得ない状況にならないとも限らない訳でして、これは公務員だってこれからは、リストラをやらないとも限らないのですから、多少の準備は必要では無いでしょうか?
追伸2
今回のコラムの本題であります転職は損か得かに関しては昔ほど損ではなくなってきているってのが結論ではないでしょうか?