資本主義、自由競争社会では基本的に価格は需要と供給のバランスで上下するのですが、新卒の基本給がそれほど企業間の大きな隔たりが無いけれど、中途採用の転職市場においては、人材不足が顕著な業界などは、中途採用条件が破格の条件で募集するなど、需要と供給の関係が表れてくるものです。
本コラムでは営業マンの転職を特集していますので、営業マンに限っての話を書きますと、新卒で営業社員として特定の業界で働いていますと、転職を考える際には今までの経験を生かせなければ、中途採用のメリットは薄れてしまいますので、どうしても今まで働いてきた業界やそれに類似する職場を転職先として探す傾向が強いようですね?
これは40代以上の転職活動で有れば、堅実な方法で有りまして、新しい職場でもそれなりに仕事をこなす事が出来る可能性が高くなりますが、30代までであれば違う業種に目を向けてみるのも良いかもしれませんね?
これが技術職であれば、おいそれと他業種へ転職するのは叶わないと思いますが、営業職ですから物を売るって基本的な技術は、なにを営業するにも基本は変わらないので有りまして、需要が高く人材不足の業界に思い切って飛び込んで行くのも成功する可能性は高いですね。
私の所属するIT関連に関しましても今から10~15年前に業界が急速に拡大しまして、技術者も営業も管理職も全てが不足していまして、他業種からの転職者を積極的に受け入れておりまして、運よく躍進した企業に転職できた人の多くは、今では役員や幹部社員に出世して転職して良かったなって思っているのでは無いでしょうか?
はい、人材不足の業界の多くが新しい産業で有ったり、急に市場規模が大きくなった、つまり新興産業の場合が多く、例えばインターネットの世界では今や超優良企業のYahooやGoogleでも創業当時は知名度も無く、中々良い人材が集まらなかったのでは無いでしょうか?
しかし、需要と供給の関係は企業活動にも当てはまるのでありまして、業界のパイが膨らんで好景気になり、人材が不足している業界ってのは儲かっている業界ですので、すぐに新規参入が次々と現れるのも常なので有りますから、人材不足の業界に高待遇で転職できたとしても、いつの間にか過当競争の業界になってしまう事も多いので、中々難しい所なので有ります。
IT関連では特に顕著でそれこそ星の数ほど企業が参入して第二のYahooやGoogleを目指しましたが、大部分が消滅していってしまったのであります。
なにせ、社会も経済もダイナミックに変化する社会ですから、転職においても大きなチャンスが有る反面、大きなリスクも付きまとうので有ります。
追伸
不況時には物が売れないし求人市場も買い手市場になるのですが、これは新卒に限った話で、経験者の売れる営業マンは売れない時代にこそ欲しがる企業が増えますので、ちゃんと良い転職口は有るのです。