売上ゼロより利益が無くたって売れたほうが良いだろう・・・って営業マンの苦し紛れの安売りから、大規模に競合ライバルから市場を奪い取るための価格破壊戦術まで、今回のコラムでは価格破壊と値引き営業マンについて思う所を書いてみようと思います。
まず誰もが知っている商売の原理原則で言えば”安く買って高く売る”のが商売の鉄則で有りまして、勿論それは正当で正しい商行為でありまして、企業は出来る限りの利益を出して、税金を納める事によって社会に還元する事で、企業の発展と国の繁栄の両方を達成する訳ですが、中々市場を開拓できないとか、売上が作れない場合は時として採算を度外視した安売りに走ってしまう場合があると思います。
それと市場の成熟度合いによって一定の流れが存在しておりまして、まだ世の中に商品が出回っていない新しい分野での商売は最初のうちは競合も少ない状態ですから大きな利益を確保出来ますが、利益が出せる市場には多くの企業が参入してきますので、やがて市場のパイの奪い合いになって、価格の低下や価格破壊が起こりますね。
最終的には淘汰の時代がきて健全な企業が生き残る事になりますね。
身近なお話でホームページ作成代行業者がこの流れに当てはまる業界です。
1990年初頭に企業がホームページを開設するようになって、IT企業によるホームページ作成代行が業種として出てきました。
当初はちょっとしたホームページを作るにもページ単価は5万円以上で50万円~100万円の予算が無いとホームページを業者に頼むことはできませんでしたが、それも束の間で、独立系からデザイン関係や印刷業界や広告代理店からの参入で、雨後の竹の子の如くホームページ作成代行業者が乱立したのが、1990年半ばから2000年にかけての時代です。
この辺りから価格破壊が進んできまして、ピーク時の1/5程度まで作成単価が下がった時期が有りますが、資金力に乏しい独立系の業者が真っ先に根を上げてきたのです。
概ね2003~2004年位にかけて淘汰が始まり、正確な統計は有りませんが実際にホームページ作成代行で成り立っている業者はピーク時の1/3位になっているのではないでしょうか?
実際に企業では自社のホームページを作ってもらった業者が無くなってしまって更新が出来なくなってしまった例も沢山ありまして、価格破壊の先には淘汰の時代が待っているって事で、個人の営業マンレベルで見ても、安売りの先に明るい未来が待っている可能性は限りなく低いのではないでしょうか?
とはいえ毎月の売上ノルマに追われている営業マンにとっては将来の事よりも今月の目標達成が切実な問題で有りまして、ライバル企業や競合相手が値段を下げてきたら追随するしか無い状態で、仕方が無く安売り営業マンになってしまう場合も少なくないですね。
つまり高く売れって口で言うのは簡単で3秒で出来ますが、市場の状態や大きな流れの中では、逆らう事も出来ない場合が少なくないので有りまして、そんな時は場合によっては商材を開発するとか探すとかして、利益の取れる商材にスイッチする決断も必要な場合が有ると思いませんか?