ニッチ戦略とは

2022/8/16更新

ニッチ戦略とは

そろそろ400回を目前としてきた営業コラムですが、今回はニッチ戦略とは?って内容で書こうと思いますが、先ず最初にニッチ戦略の定義について書いてみようと思います。

先ずニッチ( Niche )って言葉を日本語に訳しますと”すきま”ってなります、つまり大手市場が参入していない市場にスポットを当てて営業展開をして行く手法を指します。

ニッチ(すきま)ですから、大手が参入してこない(十分な利益が市場から吸い上げられない)市場ですので、無競合の状態を狙うって所が大きいのではないかと思いますが、最近ではニッチ市場と思っていた市場にも、大手企業が直接参入してきたり、分社化か社内カンパニーの形で、小さな隙間市場にも直ぐに参入してきたりする例は非常に多いので有りますし、最初のうちは小さな市場だと思っていた場合でも、徐々に市場が大きくなってきまして、参入企業が増えてしまって競争が激化する場合も、非常に多いのでは無いでしょうか?

ですので、ニッチ戦略において最重要なのは、スピードではないかと私は考えます。

このスピードについては2種類考えられますね?

■ニッチ市場に切り込んで他社の追随を許さない圧倒的なシェアや立場をつくしまって、その道のオンリーワン企業を目指す。

堅実で元気な零細・中小企業の多くがこのタイプで御座いまして、圧倒的な立場を手に入れてしまった状態で、顧客数、ノウハウ、技術力などを蓄積していておいそれと、大手企業であっても市場に参入する事が出来ないほどの、実績を積み上げてしまった状態です。

当然、ニッチ市場でこのような状態まで作り上げてしまうには、出来るだけ短期間で事を運びませんと、磐石の態勢が出来上がる前に続々と大手企業を始め、他社が参入してきてしまいますので、とにかくスピードが勝負になってしまうと思います。

■ニッチ市場を開拓して、先行者利益が取れる間に売れるだけ販売して、あとは縮小や撤退、事業譲渡などしてしまう場合。

健康関連などは最たるものだと思いますが、自社の販売力や資金力では全国展開などが出来ないとか、10年以上のプロダクトライフサイクルが見込めない場合や、他社の参入が比較的楽な商材の場合は、ニッチ市場に切り込む段階で最初から1年とか2年の短い期間で、十分な利益を出せる体制で臨む形です。

特に模倣がしやすいとか、簡単に類似品が作り出せるような商材の場合は、売れるとなるとあっという間に競争が始まりまして、価格が下がって利益が確保できなくなってしまうのを見越して、市場を開拓して短期間で売り切って、縮小や撤退や事業譲渡をしてしまう場合です。

最初から縮小や撤退やプロダクトライフサイクルを考えていなくても、競争の激化や販売単価の下落を素早く察知して手を打ちませんと、在庫の山を抱えて経営が一気に傾いてしまったりする例も沢山有りますので、こちらはスピードプラス・機敏な営業判断が必要でしょうね?

と色々書いてきましたがニッチ戦略ってのは、競争は少なくオンリーワンで利益を享受できる可能性も高いのですが、ニッチであれ新たな市場を開拓する事には変わりないので有りますから、中途半端な考えでは参入を見合わせたほうが良いのでは無いでしょうか?

営業コラム 第五部 コンテンツ一覧

新着記事