今回のコラムでは営業マンの商談における本音と建て前の使い分けについて思う所を書いてみようと思います。
本音とは本心、本当の心の思いであり本心から話す言葉であり、建前とは原則としての表向きの考えや方針の意味になりますが、営業マンほどテクニックとしての本音と建て前を使う職種も無いのではないでしょうか?
■相手(お客)の信用を勝ち取るため?に前置きの言葉として深い意味も、実際には本音でなくても前置詞的に使うただの言葉としても使用
例えばお客からの値引き要求に対して、自分の粗利益が無くなりますので、値引く気持ちは一切、これっぽっちも無い状態での営業マンの受け答えとして・・・。
営業マン<えっと本音を言うとですね~、私個人としてはお値引きしてあげたいんですよ~、けど会社の方針としてこれ以上のお値引きは一切負かりならんって事になってますんで、もう逆立ちしても無理なんですよ~、私の本音としてはお値引きして差し上げたいんですがね~、ホントすいません・・・・>
てね、この営業マンは本音を言うとって言いながら実際には本音は値引きしたくないので、値引きを断るテクニックとして、本音って言葉を出しているだけですね?
実際には見え見えの使い方で、稚拙な値引きの断り方に読めてしまうかも知れませんが、ベテラン営業マンともなりますと、真に迫った迫真の演技・・・までは無いですが極々自然体で実際には本音ではない本音を繰り出して商談を進めますので、結構なお客はコロっと信じ込んでしまって商談成立って事になるんでよね?
※統計が有る訳では無いのですが、営業マンの口から出る”本音を言いますと・・”って言葉に続いて出てくる言葉の80%は実際には本音ではないって思います。
■建て前でしか話せないって前置きする営業トーク
これもやはり営業マンがお客から信用を得る・・・なんてもんじゃなくて勘違いを誘い込むに近い営業トークです。
例えば販売後のアフターサービスの内容に関してお客の要望と実際に提供できる内容とのギャップを埋める事が出来ない場合にこんな風に話をはじめて・・・。
営業マン<そうですね~こーいった事は改まってのお話になったり書面に残したりの契約になりますと、建て前でしかお話できませんし書面にも残せないんですよ~・・・ですから建て前で内容を説明させて頂いて書面もお渡しいたします>
こうやって営業マンが話をしますとお客は、建て前はさておいて実際(本音)の部分を聞かない状態で期待して内心営業マンを信じて契約してしまったりするんですよね?
こうやって書いてみますと営業マンがセールストークで使用する本音と建て前の使い分けってのは、本来の意味とはちょっと違って感じてしまいますね?
追伸
実際に多くのベテラン営業マンがこれに近い手法を駆使している事が多いと思いますが、効果的に場面に応じて使えるかどうかは、営業マンの演技力にかかってきますね?