大企業ほど成果主義の導入で、成果主義が上手く機能しない場合が多いように思います。
成果主義の基本中の基本のフルコミッション営業ならいざ知らず、メーカー関係での成果主義の導入はなかなか上手く機能しない場合が多いのは何故でしょうか?
一見、営業社員に対して成果主義の導入は一番やりやすいように思いますが、成果主義の導入は個々の営業社員の待遇に直結しますので、個々の能力や、成果に対してストレートに反映できる仕組みを作らないと、不満の元になってしまうのですが、この成果主義の目標設定や営業マンを評価する仕組みが、上手く作れない場合が多いように思います。
一言に営業マンの業績を判断するといいましても、最終的な判断は売上や利益になってくるのですが、テリトリーによる要員や、受け持ちエリアの移動効率や、とにかく営業マンの能力や頑張り以外に、成果を左右する要素がある場合がに評価の仕組みを作るのが、難しいわけです。
それと、多くの成果主義は目標に対する達成率で評価されるわけですから、会社側は出来るだけ高く売り上げ目標を設定しようと思いますし、営業マンは出来だけ低く目標を設定しようと考えてしまうわけです。
何故ならば、低い目標でも達成すれば良しの場合が多い訳ですからね。
それに志の高い営業社員がより高い目標を設定して達成したとしても、多くの企業が翌年には前年対比でより高い、営業目標数値を出してきますので、結局は最初から、低い目標値のほうが営業マンにとっては得になってしまう場合が少なくないのです。
※中途半端な成果主義で凄く頑張っても営業マンに対する見返りが、少ないとこのような形になってしまう場合が多いようです。
この中途半端な成果主義の導入における、問題点は営業マンが高い目標にチャレンジしたくなくなる事で有りましょう。
こう考えますと、一番成果主義が導入しやすそうな営業の現場が、最も成果主義・能力主義の導入が難しいのではないでしょうかね?
追伸
人が人を評価する事は非常に難しく、評価の結果によってやる気が出る営業マンも出てくれば逆の場合も出てきます。
完全フルコミッションの歩合制の営業マンを除けば、目標設定に始まり、数字に表れない部分の評価をどうするかなど、絶対評価の部分でも絶対評価の基準値の設定が難しいですし、数字に表れない部分及び相対評価的な評価の部分でも、営業所がいくつも有る企業では、全ての営業マンを把握して相対評価が出来る人間はなかなか存在しない場合が多いのです。
又、日本の場合、賃金に関する事をオープンにしていない企業も大多数を占めますので、成果主義のメリットを出せる企業はまだまだ少ないのではないでしょうか?
少なくとも成果主義の導入を隠れ蓑にして、人件費の圧縮を画策するような企業が出てこない事を祈りますが、実際のところ成果主義の報酬体系を導入して人件費が増えてしまって経営を圧迫したって話は一度も聞いた事が有りませんので、支出に占める人件費の割合は同じ、もしくは下がった企業が圧倒的に多いのが実情かも知れないですね?
それと成果主義を取り入れて業績が伸びたって話も最近は余り聞かない代わりに、昔ながらの日本式の経営手法に戻す企業が出てきている話もちらほら聞きますので、実際のところ、日本の企業経営に定着したか、根付くかどうかは、今は未だ判らないのではないでしょうか?