新商品を開発したり、今後の営業展開を考えるにあたり市場調査を行なう場合が有りますが、今回は市場調査に関して思う所を書いてみようと思います。
市場調査に関しては市場調査専門の調査会社やマーケティング専門企業が対面アンケートやインターネットを活用して調査をしていますので、大企業などでは外注して調査を行ないます。
確かに商品を市場に投入するとか、営業戦略を考える上で事前に市場の動向や消費者の嗜好を調査してから、営業戦略を練り上げていく事は理にかなっていると思います。
ところが資金力が潤沢ではない中小企業の場合は市場調査を外注する余裕が無い場合が多いので、色々と自社で出来る範囲の市場調査を行なったり、ヒラメキに頼ってしまったりするわけです。
ここで話を現場の営業マンに移して続けようと思いますが、私の経験では現場で営業をしている営業マンが売れないと思ったら、実際に余り売れない事が多いと思います。
これはメーカー系の販売の現場では良くある話だと思いますが、開発部門と企画部門が市場調査まで行なって新製品を開発するのですが、開発中は情報が外に漏れることを防ぐために、開発関係者以外へは一切の情報を出さない場合が良くあると思います。
そうなりますと、実際に製品が出来上がってカタログも出来て販売できる状態になってから初めて現場の営業マンに情報が出されるわけです。
多くの経験を積んだ営業マンは商品や製品の企画や開発は出来なくても、売れる売れない、又は売り易い、売り難いを直感的に感じる力を大なり小なり持っていますので、イザ自分の所に出来上がった新製品が出てきて、実際に目にしたり操作してみての売れる売れないの直感が当たる場合が非常に多いのです。
つまり市場調査は必要で大切な事のひとつですが市場調査が全てではないし、市場調査はあくまでもデータに過ぎませんので、調査結果を元に製品やサービスの形にする作業は、開発部隊や企画部門の腕次第で、いくら完璧な市場調査を行なっても必ず売れる商品が開発されるわけではないって事ですね。
以上が、私の市場調査に対する考えなのですが、中には市場調査を行なっての商品開発に失敗した場合に、調査は当てにならないと市場調査そのものを否定してしまう場合があるようです。
確かに調査する内容が不足していたり、調査対象が偏っていたりした場合は、調査結果に偏りが出ますので原因のひとつにはなるでしょうが、調査そのものが不要って結論にはならないと思います。
追伸
日常から営業マンが現場の声を拾い集めて、企画や制作/製造部門に情報を流している企業は日常的に市場調査を行なっているわけですから、商品力が強い場合が多いと思います。
逆に販売は販売で商品開発や企画と全く切り離されている場合は、商品開発の情報が少なくなってしまうのではないでしょうか?