今回のコラムでは降格について考えてみようと思いますが、私自身経験は無いのですがサラリーマン時代に降格された役職者は沢山見てきていますので、そんな過去を思い出しながらとにかく書いて見ようと思います。
営業職の場合ですと他の間接職と違いまして降格率と言いますか、能力があって営業成績の実績を出せば昇格しやすい反面、昇格して役職に見合った貢献がないと降格しやすいのも営業職の特徴と言えるのではないでしょうか?
しかし昇格しやすい反面、降格の場合も多いと言っても営業マンに限った事では有りませんが、気持が仕事への取り組み姿勢やモチベーションに与える影響は大きく、人によっては降格の辞令が出された翌日に辞表を出してしまう方もいらっしゃるようですね?
まあ人が人を評価して昇格や降格が決められるので有りまして、主任の肩書き位?で有れば部署の中に何人いても大丈夫な所が有るのですが、営業所長ですとか課長職になりますと、限られた役職者の数に適切な人員を配置する事になりますので、能力を見込んで所長や課長に昇格させたが、能力が足りなかったと判断されてしまったり、他に適任者が居ると判断された場合は降格になってしまうわけです。(椅子取りゲームに近いものが有ります)
降格する本人やその状況になる可能性の有る役職者にとっては、安閑としていられないって所だと思いますが、企業経営にとっての現場に与える緊張感とか、モチベーションの維持に役立っている所が(表立っては有りませんが)有ると思います。
経営者の私から少々厳しい事を書きますと、一度昇格したら大きなミスをしない限り降格しないし、給料は上がっていくなんて幻想はとっくの昔に無くなっているので有りまして、降格の辞令が出たからといって、モチベーションが下がるのは気持ちとして充分理解出来ますが、さっさと立ち直って再チャレンジするなり、能力向上に努めるなり、新たな世界に飛び出すなり、自分の得意分野を見つめ直すなり、新たなステップアップの機会として捉える事が必要ですよね。
私が思うには昇格も降格もまあ中間管理職レベルまでは学級委員長を選ぶ程度に考えて、適時適切な人間を選出する位にフレシクブルに考える時代になってくるのではないでしょうかね?
このコラムをお読みの方の中には実際に降格になった(なりそうな)人もいらっしゃると思いますが、人間の能力なんて色々な種類が有るもので有りまして、それはどんな人間でも100%どんな分野でも人並み以上の才能を発揮できる訳ありませんので、それほど深く考える必要は無いのではないでしょうか?
中にはマイナスの状況をプラスのモチベーションに転化して更にパワーアップする人も少なく無いのでして、降格しても再度実績を出して見返すとか、会社が自分の能力を認めないのであれば新天地(ライバル企業)に転職して、実績を出すとか、独立してしまうとか方法は色々有ると思いますが、プラスに転化する事が一番自分にとって良い事は間違いないって事です。
追伸
私は創業社長で経営者ですが、そもそも降格って言っても降格できるだけ良いじゃないかって思います。
中小企業、零細企業で経営不振になっても、降格して誰かに代わって貰う事なんて出来ない社長が100%近いので有りまして、降格の代わりに倒産とか廃業って事になってくるのですから、能力不足で降格されても、経営者の立場と比べたら、天と地ほども違うほど恵まれた状態だと思いますよ。
それと本文では触れて居ませんが、誰かを降格させるのを考えたり決定せざるを得ない状態になってしまった経営者や上級職者もそれはそれで考え抜いていると思いますし、職場のモチベーションの低下についても悩んだのではないでしょうか?
追伸2
降格につきましては職場の誰もが納得できる状況に無い場合は、職場のモチベーションを下げる要因になってしまいます。一般社員も上司の降格を目の当たりにしますと、昇格の意欲が低下しかねない場合があるからで有りまして、対象の本人もそうですが、組織の活力を維持する為に昇格よりも降格のほうがよっぽど経営者の判断が大切になってくるのではないでしょうか。