営業の世界にもパソコンの普及とともに様々な分析や分析手法が登場していますが、ポピュラーなものに顧客のABC分析があります。
初耳の方に簡単にABC分析について書いておきますが、過去の取引実績を元に顧客をランクに分けて、Aランクのお客は過去1年間で幾ら以上とか数字でABCとランクを分けて、分けたランクによって訪問回数を考えたり、営業アプローチを変化させたりします。
やっている事は間違っていませんし、やるべき事だとは思いますがABC分析には少しだけ注意点が有ります。
ABC分析はあくまで過去の実績を元に分類していくのが多いのですが、販売先が持っているポテンシャルを考慮した分類も入れておかないと、判断を誤る事になってしまいます。
つまり購買力が高いとか、法人の場合だと規模が大きくもっと買ってもらえるポテンシャルを持っている顧客が、ライバルに取られているとか、担当営業マンのフォローが足りないなどの理由で、過去の実績が上がっていない場合です。
ポテンシャル(購買力)が高いのに上記のような理由で下の方のグループに入れてしまった場合ですと、そのままCランクのお客って事で、訪問頻度を減らしてしまったり、営業のアプローチを減らしてしまったりしまして、ちゃんと営業活動を行なえば、もっともっと売れる可能性のある顧客を逃してしまう可能性が出てきてしまいますね。
ですのでABC分析を行なうのであれば、顧客の実態を徹底的に調べてから行なう事が非常に重要になってきます。
過去の取引実績だけではなく、法人の場合ですと年商に始まり売上構成、営業マンの数や取り扱い商品一覧に、入り込んでいる他社の状況などしっかり調べて初めて、ABC分析のスタートが切れると思います。
となってきますと、顧客管理の一環としてABC分析を取り入れようと思って分析ソフトを購入しても、普段から顧客の内情を把握していないと、役には立ちませんし中途半端なデーターを入力しても中途半端な結果しか出てこない事になります。
顧客管理・ABC分析の第一歩は先ずは顧客の内情をつぶさに調べるって事だと思います。
追伸
営業の世界で一番大切な事は、やはり事実を知るって事ではないでしょうか?