野球の世界では、東京ヤクルト・スワローズの古田兼任監督が、野村監督以来のプレイングマネージャーとして活躍していますが、営業の世界では営業管理職におきまして、プレイングマネージャーとして、自らも営業の第一線で売上を上げながら、部下の指導育成にあたる場合もありますし、完全に部下のマネジメント一本で、営業成績の向上を目指す、管理職の方が存在します。
中小・零細企業では会社の代表であります社長が、第一線のセールスマンで頑張っているところも、非常に多いのでありまして、営業の世界ではプレイングマネージャーは星の数ほど存在するわけです。
プレイングマネージャーに求められる資質は、まず第一にバランス感覚で有ります。
私自身、プレイングマネージャーの下で働いたことも、プレイングマネージャーの経験もありますので、過去の経験からの感想を書いてみようと思います。
上司がプレイングマネージャーで営業活動をしていた頃の感想から先に書きますと、普段は自分の売上確保に専念してもらっていて、余計なマネジメントや指導はしなくて結構なのですが、ここ一番、上司としての力や肩書きの有る上役の力を借りたいときだけは、ちゃんとフォローしてくれれば、良いと思っていました。
部下の指導に関しては、背中で教えるとでも言いますか、細かく言わなくても自らが実践して手本を示してくれれば、よい所は真似をする営業マンが多いと思いますので、手本として営業活動に専念してもらえれば、それで良かった訳です。
※社歴が古いとか、先に入社しただけでプレイングマネージャーになった方ですと、背中で教える事は難しくなってきますがね?
又、私がプレイングマネージャーとして仕事をしていた時の感想を書きますと、練れないうちは勝手が分かりませんでしたが、要所を押さえてマネジメントを行なえば、机に噛り付いてマネジメントに専念しているよりは、第一線で販売もしているほうが、現場の状況は把握しやすいですし、出来の悪い部下を抱えて社内でイライラしているよりは、よっぽど精神衛生上よろしかったと思います。
その昔は、新入社員として営業部に配属されまして、徐々に出世していくわけですが、管理職になってしまえば一日中社内にいて、部下の報告を受けて部下に指示を出して、あとは社内の根回しで仕事が終わっていた時代も有ったのかと思いますが、これからはプレイングマネージャーとして、管理職になっても販売の第一線で活躍する場合が益々増えてくると予想します。
営業マンの中には折角頑張って管理職まで上ってきても、売上のノルマは減らないで部下の管理まで増えてしまって、大変になっただけだと嘆く方もいらっしゃるかもしれませんが、時代の流れでも有りますし、自分のためでも有ると思ってください。
今の世の中、先々どうなるかは誰もわかりませんし、営業マンは年齢が上がってきて、一度、第一線の販売から身を引いてしまいますと、不思議なことにカムバックしても力が随分と落ちてしまっている例が非常に多いので有ります。
そんな訳で、全ての営業現場で活躍されている、プレイングマネージャーの方たちにエールを送って、今回の原稿を終了させていただくので有ります。