行商

2022/8/16更新

行商

若い方の中には行商が分からない方もいらっしゃると思いますが、

店を構えず、商品を持ち歩いて小売りすること。また、その人の事を行商と言います。

無店舗販売、訪問販売のルーツがこの行商って営業形態になりますが、一般に店舗を持たないで販売する商品を持参して販売する形態が行商ですが、主に野菜や海産物などの訪問販売を行商と呼んで、それ以外の商材の場合は、行商とは呼ばないで訪問販売と呼ぶ場合が一般的です。

江戸時代に発達した行商ですが、年々行商人の数は減ってきているようでして、現在でも営業されている行商の方も、高齢化が進み後継者は先ず育たない状況になっているようですので、更にその数は減少してくるでしょうね?

現在活動されている、行商人の方たちは固定客を確保している方ばかりで飛び込みで顧客開拓を行なわなくても、既存顧客を巡回することで日々の売上を確保されている方たちばかりですので、持っている顧客リストは非常に価値の有る資産と言って良いでしょうか。

有名な行商での販売形態として、富山の置き薬が有りますが、こちらはちゃんと株式会社になって多数の営業社員を抱えまして、歩いて顧客を回ることも無くなり、代わりに軽自動車をつかって顧客を回っていますが、行商の基本を存続させたまま近代企業に変革を遂げた数少ない業種と言えましょう。

行商と言えば、一つ思い出すのがはるか昔の戦国時代、後の豊臣秀吉が日吉丸と名乗っていた時代に、針売りの行商で全国を行脚し、行商で全国各地を行脚したお陰で、日本全国の各地の大名の情報を収集して、後々に非常に役立ったと言われます。

今の日本で、行商を行ないながら日本全国を行脚して回るって事は不可能な事だとは思いますが、知らない土地を回りながら、針売りの稼ぎで資金を回して日々の糧にしていた日吉丸(豊臣秀吉)は、商売の才能も、少なからず有ったと見て間違いないのではないでしょうか?

行商と言えば古い営業形態で廃れていくイメージは非常に強いのですが、近代企業に変革を遂げて株式会社として営業を継続させている例も有りますし、

今も行商を続けている方たちは、しっかりと固定客を確保して、信頼関係を持って安定した売上を上げている訳ですので、学ぶべき事も多いのではないでしょうか?

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